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工事請負契約締結段階における電子化について、弊所の考える理想形(建設業法19条3項との関係)

建設業法の新解釈【電子契約サービスの活用】

経済産業省からプレスリリースされる前にも、建設業法上、電子メール等を利用した電子契約の締結は認められていました。もっとも、その手段は技術上要求される水準が高いため、取り入れることが困難であると言われていました。経済産業省のプレスリリースによって、電子契約の活用領域が広がるようになりました。

具体的には、特定の条件を満たせば、建設業法によって義務付けられている建設工事請負契約に関する書面の交付を代替する電子契約サービスによって、建設工事請負契約に関する書面の交付をすることなく契約を締結することができます。

契約書等の相互交付義務

建設業法19条は、「建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従 って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は   記名押印をして相互に交付しなければならない」と規定し、この規定に基づき、建設業界・住宅業界では、発注者・受注者相互に署名又は  記名押印する工事請負契約書を取り交わすことが基本とされています。

建設工事の請負契約:e-gov参照

しかし、この工事請負契約書を締結すると「印紙を貼付しなければならない」「そもそも継続的取引関係にある元請・下請との間において は契約書が無くても信頼関係で工事はできる」等の理由で、工事請負契約書を交わさないで工事をしてしまう事例も多数あります。この契   約書を交わさない慣習は、時に「言った言わないトラブル」など紛争の原因にもなっていました。

また、工事請負契約書の原本を1通作成し、取引相手方にはコピーを  交付するという運用が認められるかという論点もあります。建設業法 19条では、請負契約書を「相互に交付」することが要求されており、「原本の」相互交付を意味するものであると理解している住宅会社・建設会社も多く存在するところですが、建設業法19条は必ずしも原本 の相互交付を求めている規定ではなく、相互交付の趣旨(当事者双方 が契約内容を認識可能な状態とすることとされます。)からすれば、片方はコピーで足りるという解釈も成り立ちます。

電子メールによる受発注の有効性

建設業法19条3項、同法施行規則13条の2第1項1号イにより、「建設工事の請負契約の当事者の使用に係る電子計算機……と当該契約の相手方の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信  し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する措置」を講ずることによって、書面の交付に代替することができるとされています。これが建設工事の電子契約であり、工事請負契約書をメール添付の方法により取り交わす場合は、以下  の基準を満たせば、建設業法上、適法に電子契約を締結することができますが、技術上要求される水準が高いため、なかなか取り入れることは困難であるとされてきました。要求される水準は以下のとおりとなっています。

  1. 契約の相手方に対し、あらかじめメール添付の方法によること及びパソコンのファイルへの記録の方法を示し、これについて、書面又は受発注書のやりとりに使用するものと同じメールシステムにより契約の相手方から承諾を得ること
  2. 契約相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成できるものであること
  3. 公開鍵暗号方式の採用に加え、添付された公開鍵が送付した者のものであることを示す電子的な証明書の送付を行うこと
  4. 請負契約書データ等の電磁的記録を適切に保管するとともに、保管された電磁的記録が改ざんされていないことを自ら証明できるシステムを整備すること

ファックス送信による受発注の有効性

ファックスによる注文書・請書の交付については、建設業法19条の「署名又は記名押印をして相互に交付」には該当せず、建設業法19条   3項、同法施行規則13条の2に相応する方法が定められていないので、認められません。

経済産業省によるプレスリリース

そのような状況の中、平成30年1月29日に経済産業省は、「電子契約サービスに係る建設業法の取扱いが明確になりました〜産業競争力強化法の『グレーゾーン解消制度』の活用〜」として、プレスリリー スを出しました。

その内容は、「日本の商習慣として定着する『紙と印鑑』による契約の締結をクラウド上で電子的に行うことができるサービスを提供する   照会者より、今般、建設業法上義務付けられている建設工事請負契約  に関する書面の交付を代替するサービスを検討するに当たり、当該サービスが建設業法施行規則第13条の2第2項の技術的基準に適合するかについて照会がありました。……関係省庁が検討を行った結果、照会   者が提供するサービスにおいては、(1)契約成立後に照会者から契約  当事者に送信されるデータを電磁的記録として保存及び印刷を行うこ   とは可能であること、(2)照会者により公開鍵暗号方式による電子 署名及び電子的な証明の添付の手続が行われることから、当該サービスは、建設業法施行規則第13条の2第2項に規定される技術的基準(建設業法第19条第3項に規定する情報通信の技術を利用する措置に係る技術的基準)を満たすことが明らかとなりました。」というものでした。

建設業法施行規則13条の2第2項2号では、「ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することが できる措置を講じていること」という要件が規定されており、意思表示の主体に電子署名を要求するなどして、なりすまし防止を求めているのです。この「なりすまし防止手段」として、事前に内容についてお互いの合意が済んでいる契約書等の書類をクラウド上にアップロードし、相手方が同意することにより、相互同意がなされたことを示す電子署名 が施される趣旨のサービスが適法であるという確認が事業所管大臣である経済産業大臣及び規制所管大臣である国土交通大臣によりなされたということになります。

これによって建設業法施行規則13条の2第2項に規定する技術的基準を満たすと認められました。

弊所から提案する電子契約サービスの理想形

電子契約サービスは、建設工事現場管理と連動させ、工事現場をインターネット上のクラウドで確認しながら、適時の追加変更工事の電子発注や出来高に応じた支払業務を実践 できるITサービスが理想だと思います。

弊所は、建設業許認可申請代理は勿論、それに加えて、これまで述べてきた電子契約についての提供サービスとして、提携電子契約サービスと弊所独自開発の顧客・案件管理kintoneアプリを併用し、御社の経営の効率化・生産性の向上、そして、中小企業診断士による経営コンサルタント、各種補助金申請の支援によって、御社の業務の拡大、発展に寄与したいと考えております。

契約書の改訂が必須の平成29年民法の債権法改正が施行され、いよいよ、電子化の流れが活発になると思います。

行政書士菅事務所について

神奈川県鎌倉市に事務所を構える行政書士菅事務所は、建設業許可手続きだけでなく、会社設立、スポットでの相談対応、建設業法令研修、コンプライアンス体制構築コンサルティング、IT導入による業務改善、補助金申請、事業計画書 作成などの経営コンサルティングまで対応しております。鎌倉、横浜周辺などに限らず、WEB面談で対応が可能です。お気軽にご相談ください。

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