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電子契約による締結が可能な契約形態

契約方式の自由により、法令上、契約書等の「書面」作成や交付等が要求されている場合でなければ、電子契約での締結が可能です。
また、書面作成等が要求されている場合であっても、文書の電子化に関する法令であるe-文書法や、各業法等により、電子化を認める例外的な規定が設けられていれば、当該要件を充足することにより、電子契約での締結が可能となります。

1  契約方式の自由

日本では、人はどのような方式で契約を締結してもよいし、方式を  備えることすら不要である(諾成主義)という意味での自由(契約方    式の自由)が認められています。そのため、法令により、契約書等の「書面」作成や交付等が要求されているといったことがない場合には、   電子契約による締結が可能となります。

他方、法令上、契約書等の「書面」作成や交付等が要求されている  場合であっても、e-文書法等の、書面の電子化を包括的に認める法律    の対象となっている場合や、書面性を要求する規定において、電子化 を認める例外的な規定が設けられている場合には、当該要件を充足する限りにおいて、電子契約による締結が可能となります。例えば、建設工事における請負契約は、後者の例になります。

2  電子契約による締結が可能な契約形態

請負契約だけでなく、売買契約や業務委託契約も、電子契約により  締結することができます。

電子化が可能な主たる契約書類

①   請負契約書

②   売買契約書

③ 業務委託契約書

④ 賃貸借契約書

⑤ 秘密保持契約書

⑥ 代理店契約書

⑦ 保証契約書

⑧ 発注書、発注請書

3  電子契約による締結が不可能な契約形態

書面作成が要求されているもの

① 定期借地契約(借地借家22)

② 定期建物賃貸借契約(借地借家38①)

書面交付が必要とされているもの

① 宅地建物売買等の媒介契約書(宅建業34の2)

② 宅地建物売買等契約における重要事項説明時に交付する書面(宅建業35①)

③ 宅地建物売買等契約締結時に交付する契約書等の書面(宅建業37①)

④ マンション管理業務の委託契約書(マンション管理73)

⑤ 訪問販売等において交付する書面(特定商取引4等)

4  文書の電子化に関する法令

文書の電子化に関する主な法令として、e-文書法、電子帳簿保存法  及び各業法等が挙げられます。

e-文書法

e-文書法は、保険業法、貸金業法、資金決済法、特定商取引法等の様々な法律の規定について、電子的な方法による帳簿等の作成・保存、   電子的な方法による書類等の縦覧、電子的な方法による書面等の交付が認められるための一般的な要件・方法等を規定しています。

電子化の対象となる文書を定める規定

e-文書法に基づく電子的な作成・保存・交付等が認められる文書の  範囲は、各法律を所管する官庁の定める規則・省令で定められていま    す。かかる規則・省令に列挙されていない文書については、e-文書法   の対象とはなりません。

電子作成等

e-文書法に基づき、文書の電子作成、電子保存、電子縦覧、電子交  付等を行う場合の方法・要件については、e-文書法に係る各省令・規  則に定められています。

電子保存に関し、基本的には、①作成したファイルを磁気ディスク  やサーバー等に保管する方法、②書面のスキャンデータを磁気ディス    クやサーバー等に保管する方法が認められていますが、例外も存在します。加えて、対象文書において、明瞭かつ整然とした形式で、画面 への表示及び印刷が直ちにできること(見読性)が必要とされています。

また、電子交付に関し、基本的には、次の方式によることが必要となります。

① 下記㋐㋑を示した上で、書面又は電磁的方法により、電子交付することについて承諾を得ること

㋐ 下記のうち、どの方式を採用するか

ⓐ ファイルをダウンロードして保存させる方式

ⓑ e-メール等により相手方のe-メールボックス等に保存させる方式

ⓒ CD-ROM、磁気ディスク等の媒体を交付する方式

㋑ ファイルの保存方式

② ①の方式に従って電子交付をすること

③ 電子交付の相手方が書面として印刷可能であること

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法においては、法人税法、所得税法等の国税における  法定書面の電子化について規定されています。

電子取引の取引情報

所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る帳   簿・書類の保存義務者は、電子取引を行った場合、財務省令で定める   ところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する必要があります(電子帳簿保存法10)。

ここでいう「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により  行う取引をいい、「取引情報」とは、取引に関して受領し、又は交付す    る注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書   類に通常記載される事項をいいます(電子帳簿保存法2六)。

電子的に作成した国税関係帳簿書類の電子保存

上記に該当しない場合であっても、「自己が最初から一貫して」電子的に作成した国税関係帳簿書類については、税務署長等の承認を得て、電子的に保存することが認められています(電子帳簿保存法4①②)。

スキャナを利用した国税関係書類の電子保存

国税関係書類のうち、契約書、領収書、発注書等については、一定  の要件を満たせば、スキャナにより作成した電子データの保存が認められます(電子帳簿保存法4③、電子帳簿保存規3③④)。

マイクロフィルムによる国税関係帳簿書類の保存

一定の場合には、国税関係帳簿書類について、税務署長等の承認を  得て、マイクロフィルムにより保存することが認められます(電子帳簿保存法5)。

e-文書法以外の法令を根拠法として電子化が認められる場合e-文書法以外の法令を根拠法として電子化が認められているケース

① e-文書法制定前に、電子化について根拠法で規定されていたケース

② e-文書法制定後に、根拠法が改正されたケース

③ e-文書法と異なる要件を設ける必要があったケース

として、上記のケースが挙げられます。

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